小型風力発電について

風と人類との関わり

日本において「風」を快く感じることはあっても、「風」が役に立つとか恐ろしいなどと実感する機会は少ないと 考えられますが、歴史を振り返ってみると「風」は人類に困難と恵みを与えた偉大な存在だったことがわかります
人類が「風」に左右されていた古代、「風」を利用し始めた中世大航海時代、風によって新大陸が発見され、物資の輸送手段ができ、貿易が生まれ、人々は発展し、「風」の影響を受けない科学技術を発達させた近現代に至るまで風は人類との関わりを持ってきました。
風が起因する自然災害は日本では数少なく、台風や竜巻なども海外の被害に比べて極めて小さく、関東圏などでは強風の経験も少なく、「風は涼むもの」おいう印象が強いのものです。

また、「風が吹けば桶屋が儲かる、桶屋が儲かれば・・・」ではありませんが、季節風や偏西風が潮の流れや大気の循環を生み出すことにより、地球の生態系は気候の絶妙なバランスで保たれていますが、それは我々の思想や価値観もそういった微妙なバランスのもとに培われた奇跡的なものなのです。

 わたしたちはこんな大切な自然の恵みが身近にあることを忘れていました。。

小型風力発電に着目した理由

私たちは平成24年から太陽光発電所約7MWを自社開発し、今後の予定として10MWの太陽光発電所を自社開発して行きますが、太陽光発電所の場合、主に日照の関係から南向き土地を優先して利用するので、土地の有効活用はされていません。

これらを面積に換算すると約約40万㎡近い南向きの土地を太陽光発電に利用することとなります。
しかも、土地は南向きだけではなく、西向き、東向き、北向きと様々な地形を成してますが、太陽光発電所で利用できる土地や地形は限られたものとなります。


多くの日照を必要としない作物として漢方薬の栽培等も考えましたが、人が作業するものはその担い手や教育を考えた場合、わたしどもの会社の規模では困難であることから、人的能力に左右されない事業であり、土地を使用することで地権者も利益を上げることが でき、事業者は再生 可能エネルギーの固定買取制度で売電収入が得られることができるものは小型風力となります。

小型風力の場合、「海に面した突端地」であっても建設することも可能であり、低圧の電灯線が敷設されている場所であれば建設することが可能です。

小型風力発電の使用面積として3.2kWの小型風力の場合、3基~6基を同一の発電所として建設することができ、10kWの小型風力の場合、1基~3基をひとつの発電所として建設していきます。
その使用面積は3.2kWの風車の場合、基礎の大きさは4m×4mとなり、10kW風車でも6m×6mの基礎であることから建設用敷地としては太陽光発電所に比べて少ない面積負担で建設可能です。しかし、安全面と複数台の風車を建設する場合、25mの間隔を設けて建設していきます。これは風車の回転による風の流れが互いに交渉し合い本来の回転を妨げてしまうことを防ぐためでもあります。

再生可能エネルギーとしての小型風力発電

小型風力発電機であれば、大型風力発電機や太陽光パネルが設置できない場所にも設置することができます。
また、小型風車なら風車の支柱と大型の羽根との間の干渉によって起こる低周波音も発生しないので、電波障害や自然破壊、景観問題も大型風車に比べてずっと少ないと言えます。そのため、小型風力発電機の潜在市場は非常に大きいと捉えられています。


太陽光発電は、その名の通り太陽光があって初めて発電することが出来ます。
そのため、曇天や雨天の時には当然ながらあまり多くの発電量は期待できません。
快晴時の発電量を100%とすると、曇天時は40%~60%、雨天時は12%~20%程度まで発電量が落ち込むと言われています。

雪の場合は、積雪量によって発電量は大きく異なります。
光が届くわずかな積雪量であれば、太陽光パネルが持っている熱で融雪作用が期待できますが、光が届かないほどの降雪量であれば当然ながら発電は不可能となります。 そのため、降雪地域では雪が自然と滑り落ちる角度などを考慮して太陽光パネルを設置しなければならないため、ある程度のノウハウが必要となるでしょう。


風速と発電量の関係を見るうえで重要な指標が「設備利用率」です。
設備利用率は発電能力に対して実際に得られる電力量の割合を表します。
設備利用率が20%だと、1kWの発電能力で1時間あたり0.2kWhの電力量になります。
風力発電では風速が大きいほど設備利用率は高くなり、6メートル/秒で約20%、8メートル/秒になると約35%に上昇します。

ちなみに太陽光発電の設備利用率は12~13%程度になります。 
設備利用率をもとに年間の発電量を計算すると、平均の風速が6メートル/秒の場合は1kWの発電能力に対して1750kWh、8メートル/秒の場合は3000kWhが見込めます。